前情報なしで買った漫画の中で、一番「アニメ化するわこれ…」と思った『怪獣8号』。
主人公は夢破れた32才の男性。
本誌連載でないとは言え、煙草を吸いながら仕事終わりのビールを飲み、「なんでこっち側にいるんだろ俺…」とつぶやく時など、「少年」ジャンプ+に連載作品の主人公とは思えない目を見せる。
この世界にとっての怪獣というものの位置づけは、おそらく「自然発生による災害」。「怪獣発生率は世界屈指」「フォティチュード」「発生波による津波の心配」「本獣と余獣」など、地震を連想させる言葉で怪獣が語られるので、「地震の具現化」でもあるのかもしれない。
主人公の仕事は怪獣専門の清掃業者とのことで、こういった怪獣モノの倒したあとの敵ってどうなるの?壊れた街に関してはスルーなの?という私の疑問が解消されて少し嬉しかった。しかも他の清掃業者の名前も出てくるので、民間企業が競り合っているような現実味がある。
怪獣の外見に一貫性はほぼない。違和感を感じるとしたら、人間のような歯をもつ個体がわりと多く出てくることだろうか。主人公は身体が怪獣化するが、歯の造形はとくに人間らしくないところを見ると単なる個体差の問題なのだろう。鳥の捕食シーンなどを見る限りでも、特段口らしいところが口という訳でもないようだ。(ではなぜ口という形態を各々残しているのかという疑問もあるが…)
ストーリーはとてもテンポよくすすむ。相棒とも言えるキャラクターも、第1話で登場し、衝突し、距離があるまま助け合い、分かり合い、第2話にはもう相棒となる。最初に読んだときはワクワク読み進めていたので気にならなかったが、改めてみるとものすごいスピード感で仲間になる。ワンピー○だったら5巻くらい使いそうなのに。でもそれが良い。細かく語られない空白を埋める余地があるのも、読者の楽しみの一つであると思う。
まだ2巻までしか出ていないので、あまり内容について書いてもただのネタバレになりそうなのでやめておく。
ただ、逆に2巻までしか出ていないので追いつきやすいし買って損はないと思う。
私は鬼滅の刃も呪術廻戦もアニメが始まってから単行本を買おうとして、売り切れ続出で苦しんだのでこれは先におすすめしたい。アニメ化決まってないけど!きっとアニメ化するから!
そして、私は電子書籍より紙派なのだが、この作品はカバー印刷が凝っているのでそんなところも地味に嬉しい。
是非本屋さんで探してみてほしい。
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